嘘をつかないと解脱する?
嘘だけではありません。ほかの道徳も同じです。守れば解脱に達します。
道徳項目のなかで、嘘は第一になっているのです。このポイントは面白いと思います。
仏教では「一番重い罪はなんでしょうか?」と聞かれると、「嘘をつくことだ」と答えます。殺生、食、邪などの罪よりも、嘘の罪は重いのです。「嘘をつくものには、この世で犯せない罪はありません」(ダンマパダー七六)。
道徳は解脱をゴールにして語られているものです。それには問題ありません。それが守られるのか、ということが問題です。守るのは難しいのです。誰と闘うのかというと、自分との闘いになります。自分の心に住みついている頃悩と闘わなくてはいけないのです。この闘いで勝ち続ける人は道徳を守っています。順悩に負けた瞬間で、道徳を破っているのです。
ですから戒律、道徳を守ることはたやすいことだと思わない方が良いのです。
アルボムッレ・スマナサーラ
ブッダの質問箱 サンガ新書より