お知らせ・活動報告

カッサパ小学校記念式典のご報告

皆さまから設立のご支援をいただいたカッサパ小学校校舎のオープン式典が2019年12月28日に開催されました。その式典に皆さまを代表し、スジャータ婦人会が出席してまいりましたので、ご報告いたします。

<記念式典スケジュール>9:00 ~

(校門外から)
ダンサー・鼓笛隊入場
僧侶団入場(約20名)
来賓(知事夫妻、スジャータなど)入場

(校庭での行事)
1. 学校のオープン宣言【スジャータ】
2. 国旗掲揚(スリランカ、日本、地方旗、校旗)
3. 国歌演奏(スリランカ、日本)
4. 各教室テープカット【スジャータ】

(講堂での式典)
1.燈明
2.読経
3.祝辞、挨拶

さまざまな方からあいさつがありました。
アチャラダンマ長老、知事、来賓、僧侶、藤本竜子、他
合間に子供の挨拶や歌、ダンスなどをはさみながら進行しました。
4.お祝いの記念品贈呈(バックパック、腕時計、図書費目録進呈)【スジャータより】
5.感謝の記念品贈呈(功績のあった方々にストゥーパ進呈)【カッサパ小学校より】
6.校長の挨拶

……以上で式典終了。その後、各教室で昼食

14:00頃 全行事終了

<カッサパ小学校校舎のオープン式典に参加するまで>

「小学校オープンの式典には、スジャータに行ってもらいます」
……と、スマナサーラ長老から言われたのは9月末のことでした。
ちょうどそのころ、スジャータ婦人会内のお寺交流企画チームがスリランカのお寺婦人会との交流企画を立てていました。その企画チームに、式典参加という大切な役割が与えられたのです。

式典の日程や内容を告げられたのは、11月下旬。
スリランカへは12月下旬に出発します。

「1ヵ月で準備を間に合わせなければ!」

子どもたちへの記念品を考え、皆さまに資金援助を呼びかけ、記念品をそろえ、通訳ガイドさんを決め……、後は行ってから何とかなるでしょう、と腹をくくりました。

旅行団のメンバーは、ほぼ個人旅行の形で日本各地から日程もバラバラに飛び立ちました。

ひとりひとり、その責任の重さをひしひしと感じつつも「小学校校舎建設に支援をいただいた皆さまの思いと一緒に行くんだ!」と、メンバーの心は一つでした。

式典の前日に、小学校を訪問。施設見学と、校長先生との打ち合わせがあり、学校は「カッサバ小学校」と命名されました。3階建てのL字型校舎で、1階にはオフィスや会議室、普通教室、図書室、保健室、2階にはコンピュータ教室、普通教室、3階には講堂、上級クラス教室、保護者会室を配しており、非常に立派な施設設備で驚きました。裏庭には政府から寄付されたという遊具も数点設置してありました。
各教室に設置してある机や椅子は、これから学年別に色分けをするとのこと。コンピュータは45台。電子ホワイトボードも設置してあります。有名男子進学校にご子息を通わせているガイドのマヘンドラさんは、「こんな素晴らしい施設をもった学校を見たことがない」と驚いていました。校長先生はスマナサーラ長老と学校のコンセプトについて何度もお話されたとおっしゃっていました。スリランカ国内トップクラスの施設を有する小学校がここに誕生したのです。

 

 

ところが、よく見ると気になる点が。
夕方5時に伺ったにもかかわらず、校舎の表札には学校名も入っておらず、校庭ではセメントをこねて作業が進行中、足場も組まれたままです。
式典までに間に合うのでしょうか? という状況でした。しかし、見事に間に合ったのです。後からお聞きしたところによると、アチャラダンマ長老が夜中2時過ぎまで陣頭指揮に当たられて、作業を続けたとのことでした。

<式典の幕が上がる>

校門からダンサーや子どもたちの鼓笛隊が華々しく入場。式典が始まりました。国旗掲揚や国歌演奏など身が引き締まる思いがする中、スジャータ婦人会の藤本竜子さんが登場。「カッサパ小学校」と銘打たれたパネルを覆ったカーテンを開けると、人々の大歓声が。その後、校舎のテープカットを機に全員で式典会場へ向かいました。

<感動の式典>

式典では、どなたもスマナサーラ長老のことを称賛されていました。挨拶された僧侶の方は、スマナサーラ長老が、日本語で100冊以上も経典やご法話の書籍を出版されていることについて、偉大な功績だと称えられ、アメリカでもこれだけ多くの出版物は英訳されていないとおっしゃっていました。語学に堪能なことにも敬意を払っておられ、ご自分もスマナサーラ長老のようになりたいと思っていたと述べられました。
スジャータ婦人会の藤本さんのスピーチも素晴らしいものでした。まず、スマナサーラ長老を日本に送り出してくださったことへの感謝の気持ちが伝えられ、長老が学校建設の話を日本テーラワーダ仏教協会に相談されたときのお話が続きました。

――協会は、ダンマパダの中に示されている「善は急げ」という教えにならい、即、会員に支援の呼びかけをしたところ時をおかずに多くの方が協力し、小学校校舎が完成。無事に、今日の日を迎えられたことを大変喜ばしく思う――という内容でした。

図書費としてスジャータ婦人会から40万円相当のルピーを贈呈したところ、ご父兄からは盛大な拍手をいただきました。

<式典参加を終えて>

式典当日、スジャータ婦人会の役割は思いのほか多くあり、来賓ではあるものの、スタッフの一員として迎えていただいたように思います。支援をしてきた者として式典に関わることができただけでも光栄なことでしたが、公式な式典が終わっても各教室でランチを子どもたちにサーブしたり、バックを一人一人に渡したりと、たくさん子どもたちに接するチャンスに恵まれました。スリランカの皆さま方のご配慮に深くお礼申し上げます。子どもたちに渡したバッグは、当初スジャータで支援したいと考えていましたが、すでに他からの寄付があり、発注されていました。にもかかわらず、子どもたち一人ひとりにお渡しする役はスジャータでいただきました。ランチはヴァジラ家が引き受けてくださり、600人分を用意していただきました。たいへんなご馳走でした。

子どもたちは心も身体も瑞々しく、エネルギッシュで、笑顔が輝いており、喜んでいることがとてもよく伝わってきました。私たちは子どもたちの様子に魅了され、大きな喜びに満たされました。校長先生をはじめ先生方はほとんどが女性で、お顔は優しく慈しみの心が溢れていました。そのうちのお一人は、「こんな日を迎えられるなんて、人生最大の喜びです」とおっしゃっていました。美しく正装のサリーで着飾られたお母さま方からも、笑顔で声をかけられました。

カッサパ小学校に関わることができたのは皆にとって大きな喜びとなりました。ともに学べる喜び、ともに働ける喜び、子どもたちを通学させる喜び、ともに小学校を作り上げる一滴の力になれたことの喜び。この日は皆が幸せに満ち満ちた日でした。協会の皆さま、支援してくださった皆さまにもこの喜びが届いてほしい、そう思いました。

このように、幸福なスタートをきったカッサパ小学校ですが、校長先生はさらに「13歳(現在は11歳)まで収容できる力をつけていく」と抱負を述べていらっしゃいました。来賓の方々からは子どもたちにしっかり学んで人々の役に立つ人になるようにとお言葉をいただいており、子供たちは皆、努力することを心に刻んだことでしょう。

私たちは、記念式典に参加したことで、誰かの役に立てる喜びを最大級の大きさで与えていただき、本当に幸福な時を過ごしました。出発前に長老から「何もしなくていい、どっぷり行事に浸ってきなさい」とのお言葉がありましたが、本当にその通り、どっぷりと浸ることで、多くの学びと喜びという宝をいただいたような記念式典でした。個人的な成功での喜びではなく、建設関係者を含め多くの人々の協力によって成し遂げられたという一体感に包まれた喜びが、皆さまにも伝わり、一緒に喜んでいただけましたら幸いです。

その場を去ろうとしても、子どもたちは私たちから離れず、どんどんタッチしてきます。寄せては返す波のように、絶えることはありませんでした。小学校の校舎建設支援は終わりましたが、今後も様々な形で支援を続けたいと思いました。

最後に、長老をはじめ、ご支援していただいた皆さま、このような素晴らしい機会を与えていただき、本当にありがとうございました。また、小学校建設基金とは別に、今回の記念式典に関わります基金を援助していただきました皆さまにも重ねて感謝申し上げます。以上、カッサパ小学校記念式典が無事終了したことをご報告するとともに、皆さまの幸福をお祈りいたします(お寺交流企画チーム)

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