今週の偈 2025.7.14
「慈しみ」によるマネジメント
ポイントは生命は単独で成り立っていないということから始まる。それで、その指揮者とか監督のもうひとつの大事な仕事が「慈しみ」なんです。それぞれの細胞たちとか、微生物たちとかが身体にはいっぱいいて、周りにもいっぱい人間がいて、他の動物や生き物がいて、そこでうまくコミュニケーションとらなくちゃいけない。マネージャーとか社長にならなくちゃいけない。自分が自分の社長なんですね。
だからマネジメント(管理)というのは欠かせない能力なんですね。そこでどうやってマネジメントするかというと、「慈しみ」が必要なんですよ。管理者が「これをやりなさい!」と言ってしまうと、やってくれないでしょ。慈しみで言ったら、やってくれますね。「仲間だから当たり前にやってあげますよ」と。だからいいマネージャーになる技はたったひとつで、それが「慈しみ」ですよ。そうすると身体のなかの臓器たちもうまく活動してくれる。人間もうまく働いてくれる。植物も反応してくれますよ。もうちょっとこうなったほうが格好いいのにと思ったら、そうなるんです。
アルボムッレ・スマナサーラ+ハナムラチカヒロ
慈しみ主義ーブッダの科学が描くもうひとつの地球 河出書房新社より