寺子屋スジャータ

今週の偈 2024.3.17

「死を観察しなさい」という教え

世の中では「死」というと何か不吉なもの、恐いもの、不幸なものというとらえ方が一般的だと思います。仏教はまったく反対です。「死」という単語自体、幸福のキーワードなのです。「死」は幸福、これは紛れもない事実だとするのです。

お釈迦様は、出家に「死を観察しなさい」とおっしゃいました。日本語では死隨念(「死の瞑想」)といいます。「どんな生命でも死ぬ」ということを、自分なりに観察するのです。具体的に観察して「生命は死ぬ」という事実を念じて確かめます。在家の方々でも「死を観察する」ことは十分にできます。人は誰でも死にますからね。理性に基づいてされいれば、どのような観察のやり方でもよいのです。仏教の世界では、「死は現実のこととしてしっかり見る」ということは、一般の方々も行っています。

アルボムッレ・スマナサーラ
『業 / 苦 / 死』  (旧)サンガ出版より

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