今週の偈 2024.10.14
「知っている」と思う者が愚か者 2/4
愚か者とは、どのような人をいうのでしょうか。「わたしは知っている」と思っている人が愚か者です。「わたしは知らない」という人は愚か者ではありません。「わたしは知っている」「わたしは正しい」と思っていたら、もはや成長はありません。「わたしは正しい」という思いにつつまれていたら、他人のことばには耳を貸しません。自己の振舞いを直そうとも思いません。
「わたしは知っている」という人には、教えてくれる人はあらわれません。「自分は仕事ができてすごいのだ」と思っている人には、協力する人があらわれません。そういう人は、いつかかならず失敗してしまいます。「わたしは知らない」「わたしは正しいわけではない」と思っているところに成長があるのです。
アルボムッレ・スマナサーラ
原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話 佼成出版社より