第22回「第一大『犍度』」その 7「61 人の阿羅漢が犀の角のごとく」本編⑱
お釈迦様の説法を直に聞いてすぐに阿羅漢となった人は六十名とされています。インドの伝統文化では世俗の義務(家住期)を終えてから遊行に入ること(林住、出家)は以前からあった慣習ですが、ブッダに帰依して若者も出家するというのが始まったのはこの時からということになります。そして、ブッダに帰依した出家者は自分の修行と並行して、人々を悟りに導く仕事も与えられて、サンガを形成することになります。弟子の阿羅漢たちが出家させるときは、最初は三帰依による出家でした。