今週の偈 2022.10.24
小さな子供が「お母さん」と呼びかける。それは、お母さんから何か刺激をもらいたいからです。それでお母さんは子供に向けて、「一人でおトイレに行けたの?えらいね」とかほめてあげる。そうやって何か刺激を発信してあげるのです。
仕事から帰ってきた旦那さんが、「ただいま 」と言う。それを家族が「お帰りなさい」「おつかれさま」と迎える。
そうやって命がつながっているのです。
これは自然なことで、特別なことではありません。
しかしこれが「本当のやさしさ」なのです。
「やさしくいる」ということは、そんなに難しいことではないのです。我を張らず、よけいなことを考えないで、自然の流れに沿って生きていれば、その人はやさしいのです。
誰にも迷惑をかけません。誰も損をしません。弱肉強食ではなく、これは共存主義なのです。これが「あるべきやさしさ」なのです。
アルボムッレ・スマナサーラ
『ブッダが教えた本当のやさしさ』 日本テーラワーダ仏教協会 より